✍ 古家あきら | 2026-07-01 更新
求人票の給与の見方 — 固定残業代・賞与・昇給のカラクリで損しない

求人票の給与、額面の数字だけ見ていませんか?——ここ、内訳を読めるかどうかで実際の手取りが数万円変わるところです。
しょくばログという会社データベースを運営していると、給与の“書き方のクセ”をよく見ます。同じ「月給25万円」でも、中身はまったく別物になり得る。この記事では、損しないための読み方を具体的に整理します。
先に結論。給与は ①固定残業代が含まれるか → ②賞与・昇給が実績か見込みか → ③額面と手取りの差 の3点を必ず確認する。順にいきます。
① 固定残業代(みなし残業)を見抜く
いちばん大事なのがこれ。「月給25万円」の下に小さく「※固定残業代◯時間分を含む」と書いてあったら、要注意です。
たとえば「月給25万円(固定残業代30時間分・5万円を含む)」なら、残業ゼロでも実質の基本給は20万円。しかも、30時間までは残業してもこの5万円に含まれているので、追加は出ません。
見るべきポイントはこう。
- みなし残業の“時間数”…20時間なら普通、45時間などは「それだけ残業がある前提」の裏返し
- 超過分が別途支払われるか…「◯時間を超えた分は別途支給」と明記があるか。無ければ確認
- 固定残業代を除いた基本給…そこが本当の土台の給与
固定残業代自体は違法ではありませんが、額面を大きく見せるために使われることも多いので、必ず内訳を分解してください。
② 賞与・昇給は「実績」か「見込み」か
- 「賞与年2回」…回数が書いてあっても、金額は業績次第。「昨年度実績◯ヶ月分」と書いてあれば信頼度が上がる
- 「昇給あり」…これは“1円でも上がれば成立”してしまう表現。昇給の頻度・幅までは分からない
- 「業績による」だけ…無い年もあり得る、と考えておくのが安全
賞与や昇給は面接で「直近の実績はどのくらいですか」と聞いていい項目です。まっとうな会社は答えてくれます。

③ 額面と手取りは違う
求人票の金額は額面(税・社会保険を引く前)です。ここから所得税・住民税・社会保険料が引かれるので、手取りはおおよそ額面の75〜85%が目安。「月給25万円」なら手取りは20万円前後、というイメージです。生活設計はこの手取りベースで考えてください。
年収に換算して比べる
会社ごとに月給・賞与の出し方が違うので、比較するときは年収に直すと分かりやすいです。
- ざっくり「月給 × 12 + 賞与」で年収の目安を出す
- そのうえで、固定残業代がどれだけ含まれているかを差し引いて“実力の給与”を見る
給与の高さは会社の規模や業績とも関係します(会社の規模の調べ方)。求人票全体の読み方は求人票の見方、条件があやしいと感じたらブラック企業の見分け方もどうぞ。
よくある質問
固定残業代はそもそも違法ではないの?
違法ではありません。制度としては認められています。ただ額面を大きく見せる使われ方もあるので、時間数・超過分の扱い・除いた基本給を確認するのが大事、という話です。
「月給」と「月収」は同じ意味ですか?
微妙に違うことがあります。「月給」は基本給+固定的な手当を指すことが多く、「月収」は残業代なども含めた見込みを指す場合があります。求人票では、何が含まれた金額なのかを確認してください。
手取りを正確に知るには?
額面から所得税・住民税・社会保険料が引かれます。扶養や自治体で変わるので、正確には内定時の条件で試算を。ざっくりは額面の8割前後で見ておくと大きく外しません。
まとめ
給与は、固定残業代の内訳・賞与や昇給が実績か・額面と手取りの差の3点を分解すれば、実際にもらえる金額が見えてきます。額面の大きさに釣られないことが、いちばんの損回避です。
提示額が相場より高いのか安いのかを判断したいときは、「上場企業の平均年収778万円」は800社に1社の話もあわせてどうぞ。非上場の会社の年収を外から見積もる手順をまとめています。
しょくばログでは、会社情報・募集中の求人を1社1ページにまとめています。給与だけでなく会社そのものも確かめたいときは会社名で検索してみてください。
※本記事は一般的な情報です。正式な給与・労働条件は労働条件通知書でご確認ください。