✍ 古家あきら | 2026-07-01 更新
取引先の信用を調べる方法 — 無料の与信チェックを「3層」で

新しい取引先と契約する前、「この会社、大丈夫かな」と不安になること、ありますよね。特に先に納品して後から入金のような取引だと、相手が飛んだら丸損です。
しょくばログという会社データベースを運営していると、会社の登記や活動状況を毎日見ます。その経験から言うと、与信チェックは“層”で考えると分かりやすい。全部を有料調査に出す必要はなくて、金額に応じてどこまで見るかを決めればいいんです。
先に結論。与信は ①実在するか → ②活動しているか → ③支払い能力があるか の3層で見る。①②は無料、③は金額が大きいときだけ有料も検討。順にいきます。

第1層:実在するか(無料・必須)
まずは、相手が登記のある実在の会社かどうか。ここは無料で確実に確認できます。
- 国税庁 法人番号公表サイト…商号・所在地・法人番号を確認。名乗りどおりに出てくるか
- gBizINFO(経済産業省)…事業内容・許認可・補助金の履歴などが見られる
名前や所在地どおりに出てこない場合は、その時点でかなり慎重になったほうがいい。詳しくは会社が実在するか確認する方法にまとめました。
第2層:活動しているか(無料)
登記があっても、今も動いている会社とは限りません。
- 公式サイト・SNSが最近も更新されているか
- 求人を出しているか(採用している=事業が動いている一つの証拠)
- 代表者や所在地が短期間でコロコロ変わっていないか…ここは個人的にいちばん警戒するポイント
- 連絡してレスポンスがあるか、連絡先が会社ドメインか
このあたりは、相手の“生きている感”を確かめる作業です。
第3層:支払い能力があるか(金額が大きいなら有料も)
ここが本来の「与信」。相手にちゃんと払う体力があるか、です。無料で分かる範囲は限られます。
- 官報の決算公告…株式会社は決算公告の義務があり、載っていれば純資産などが分かる(ただし未掲載も多い)
- 上場企業なら有価証券報告書・決算短信で財務がしっかり見える
- 信用調査会社(帝国データバンク・東京商工リサーチ)…有料だが、非上場の支払い能力まで踏み込むならここが本命。評点で相対比較できる
無料で全部は分かりません。だから実務では、取引条件でリスクを下げるのが定石です。
金額が大きいときは「条件」で守る
調べきれない相手とは、いきなり大口・掛け売りにしない。これが現実的な守り方です。
- 初回は前払い・少額から始めて、支払い実績を見てから広げる
- 与信限度額を決めておき、超える取引は追加のチェックをかける
- 大きな取引の前は、登記情報(役員・資本金)や信用調査まで見る価値あり
規模感の掴み方は会社の規模の調べ方、会社の特定は会社名から法人番号を調べる方法もどうぞ。
よくある質問
無料だけで取引先の与信は完結しますか?
小口なら、実在+活動の確認+取引条件の工夫で十分なことが多いです。ただ大きな掛け売りをするなら、官報や信用調査会社の有料レポートまで見るのが安全。金額とリスクのバランスで決めてください。
決算公告はどこで見られますか?
官報(インターネット版官報や有料の検索サービス)で確認できます。ただし決算公告を実際に出していない中小企業も多く、「載っていない=黒」ではありません。その場合は他の情報で補います。
反社チェックも必要ですか?
取引の性質によっては必要です。無料の公開情報だけでの完全な確認は難しく、専用のデータベースや専門サービスを使うのが一般的。自社のコンプライアンス方針に沿って判断してください。
まとめ
与信は、実在 → 活動 → 支払い能力の3層で見て、①②は無料、③は金額次第。そして調べきれない部分は取引条件(前払い・少額スタート・与信限度)で守る。この組み合わせが、中小同士の取引では現実的です。
しょくばログは、全国の会社を1社1ページにまとめ、登記情報・所在地・業種・求人などを確認できます。取引前の“最初のチェック”に会社名で検索してみてください。
相手の売上規模まで踏み込みたい場合は会社の売上高を無料で調べる方法もあわせてどうぞ。支払い能力ではなく「反社会的勢力との関係を断つ」ほうの確認は、目的が別なので取引先の反社チェックはどこまで必要?に分けて書きました。
※本記事は一般的な情報で、個別の与信判断ではありません。大きな取引は専門家・信用調査会社にもご相談を。