✍ 古家あきら | 2026-08-03 更新
会社の従業員数を無料で調べる4つの方法 — gBizINFO・帝国データバンク・しょくばログ
「取引先の会社って何人規模なんだろう」「応募先って本当に50人の会社?」——従業員数は会社の規模感を掴む最短の指標です。
先に結論から。従業員数は①gBizINFO(無料・上場・中堅ほぼ全社)②公式サイトの「会社概要」③求人票の記載欄 ④しょくばログや同種の会社DB、この4ルートで見えます。ただし"正社員のみ"か"パート込み"かで数字が2倍以上違うことがあるので、必ず数字の定義を確認する必要があります。
しょくばログという会社データベースを運営していると、この従業員数データの網羅率と精度の低さは日々感じます。今日はその実態も含めて書きます。
前提:従業員数には3つの定義がある
まず整理。「従業員数」と一言で言っても3つの定義があり、会社によって使い分けているため、比較すると数字が合わないことがよくあります。
①正社員のみ
- 有価証券報告書:これがベース
- 中小企業でも「従業員数」欄に正社員だけ書くのが多数派
②正社員 + 契約社員・パート・アルバイト(実質全員)
- 飲食・小売など労働集約型はこちらで表示することが多い
- 例:飲食チェーンが「従業員数3,000人」と書いていて、実際は正社員500人+パート2,500人、というのは普通
③連結従業員数(子会社込み)
- 大手・グループ企業の場合、単体従業員数と連結従業員数で数倍違う
- 例:親会社単体1,000人、連結(グループ全体)5万人など
面接や取引で従業員数を確認するときは、"どの数字か"を必ず尋ねるのが実務的。
調べ方①:gBizINFO(1分・無料)
経済産業省の法人情報データベース https://info.gbiz.go.jp/ で、会社名 or 法人番号で検索。「従業員数」欄が入っている会社があります。
- 入っている割合:上場企業ほぼ全社、中堅の一部、中小の少数(うちの体感で全体の3〜5%)
- 数字の元:有価証券報告書 or 会社の届出情報(正社員ベースが基本)
無料で正確な数字を取れる会社は限定的ですが、入っていれば信頼度は高い(公的な届出データが元)。
調べ方②:公式サイトの「会社概要」「Company」(1分)
会社の公式サイトの「会社概要」ページを見る。中堅以上の会社なら大半が記載しています。
見るポイント:
- 単体か連結か:「単体」「連結」「グループ全体」の記載を確認
- 算定日:「2026年4月時点」など基準日を確認(古い数字だと今の実態と違うことがある)
- 正社員のみか含むか:「正社員」「契約社員含む」「パート・アルバイト含む」の注記
中小の会社概要には従業員数が書いていないことも多い。その場合は求人票やしょくばログで確認。
調べ方③:求人票の会社情報欄(1分)
ハローワーク求人票やIndeed求人には「事業所の従業員数」欄があります。求人を出している会社なら、ここで確認可能。
求人票の従業員数は"事業所単位"(本社なら本社の従業員数、支店なら支店の従業員数)で書かれることが多いので、会社全体の従業員数とは違うことに注意。
ハローワーク求人票の詳しい見方はハローワーク求人票の見方を参照。
調べ方④:しょくばログや同種の会社DB(1分・無料)
しょくばログの会社検索で会社名を入れると、gBizINFO由来の従業員数を1画面で確認できます。同時に業界内での位置(従業員数ランキング何位・業界平均の何倍)も出ます。
たとえば従業員数1,000人の IT会社なら「IT・通信業界の全国平均203人を約5倍上回る規模/業界内順位XX位」といった見方ができます。絶対数より業界内での相対位置のほうが直感的。
業界順位の詳細は会社の業界順位を調べる方法、規模感の掴み方は会社の規模を調べる方法を参照。
有料オプション:帝国データバンク・東京商工リサーチ
中小の従業員数を正確に知りたい場合、無料公開データでは限界——その場合は帝国データバンクや東京商工リサーチの信用調査(1件2〜3万円)が最後の手段。
- 正社員・パート内訳まで正確に出る
- 過去3〜5年の推移も見える
- 個別調査を依頼するので、公開データにない情報も含まれる
M&A・大口取引・銀行融資判断などお金の絡む場面では、有料調査を惜しまない。単なる興味・応募判断・情報収集なら無料の合わせ技で十分。
しょくばログを運営して分かった、いちばん正直な話
うちは全国 4,988,967社 を扱っていて、従業員数データが入っている会社は144,755社(約2.9%)にとどまります。残り97%は不明——つまり日本の会社の大半は、外部から従業員数を確認できないのが現実。
なぜか。中小企業の従業員数は公的データに出ないからです。国税庁の法人番号公表サイトには含まれず、gBizINFOに入っているのは補助金や入札実績のある会社が中心。求人票を出していない会社は求人経由でも取れない。「日本の全会社の従業員数リスト」は存在しないのが実情。
もう一つ気づいたこと:従業員数が多い会社ほど正確なデータが取れる——上場企業は有価証券報告書で完璧に分かる、中堅は公式サイトで大半判明、中小は不明が多い、という規模と情報開示率が比例する非対称構造。
これはうちのランキング機能の設計にも影響していて、業界内の従業員数ランキングは「従業員データがある企業内での順位」と明示している——本当は業界内の下位企業をカバーできない、その限界を隠さない設計にしています。
よくある質問
「従業員数10名」の中小企業と「従業員数10万人」の大手、どちらが安定?
規模=安定ではありません。中小のニッチ市場独占は極めて安定、大手でも不採算事業を抱えれば不安定。むしろ業界のポジション、業績の推移、キャッシュフローの健全性を見るべき。会社規模全般の判断は会社の規模を調べる方法を参照。
従業員数の変化を年次で追いたい
上場企業なら有価証券報告書で毎年の推移が取れる(EDINETで過去数年分)。非上場は帝国データバンクなどの信用調査(有料)で過去数年分。無料で追うなら、しょくばログ等の会社DBで過去のスナップショットが残っていることがあります(うちでも継続収集で推移データを持っている社があります)。
「従業員数〇〇名(うち役員〇〇名)」の意味は?
「うち役員」は従業員数に取締役・監査役等を含めた総数を示している。「従業員100名(うち役員3名)」なら実務従業員97名。中小・スタートアップで役員比率が高い会社は、この注記がよく出ます。
派遣社員は従業員数に含まれる?
基本的に派遣元の従業員として扱う(派遣先の従業員数には含まれない)。ただし会社によっては「業務委託・派遣含めた稼働人数」を"従業員数"として出すこともあるので、注記を確認。
「グループ従業員数」と「連結従業員数」の違いは?
厳密には同じ(連結子会社含む全社の合計)。ただし「グループ」のほうが緩く、非連結子会社や関連会社も含めて計算している場合があります。上場企業の有価証券報告書では「連結」が正式表現。
まとめ
会社の従業員数は、①gBizINFO → ②公式サイト → ③求人票 → ④しょくばログ等の会社DBの4ルートで無料調査可能。ただし"正社員のみ"か"パート込み"か"連結"かを必ず確認しないと、数字を誤解します。
日本の会社の97%は従業員数が公的DBに無い——正確に知りたい中小は、帝国データバンクなど有料調査(1件2〜3万円)が唯一の道。無料範囲で調べるなら、複数ソースの合わせ技で"推定"に留まる、と割り切って使い分けるのが実務的。
単独の従業員数より業界内での相対位置のほうが判断材料として有効——うちのDBでは業界平均との比較を表示するようにしています。
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※本記事は一般的な情報です。取引・与信の判断は複数のソースで裏取りしてください。